現在、私たちの生活には、電力・ガス・水道・下水道や通信等のライフラインがありますが、その多くは地中に埋設されています。これらの埋設工事には、大きく分けて以下の二つの工法があります。
① 地面を掘削してその底面に既製の管を配管し、埋め戻す開削工法。
② 地表を掘削することなく掘進機(シールド)で前方地盤を掘削し、トンネルを構築する非開削工法。
私たちが手がける工事は、非開削工法で、開削工法に比べ路面を掘削することが少なくなるため、交通渋滞の緩和や、騒音、振動、粉じん等、工事公害の低減に優れ、市民生活へ配慮しています。特に、交通量の多い道路や市街地などを横断して開削が困難な箇所での工事で特徴を発揮します。
ハイブリッドモール工法
ハイブリッドモール工法は、一般的な密閉式推進工法である泥水式、泥濃式および泥土圧式が有する各々の技術的特性を活かし、推進区間内の土質変化に応じて最適な方式に切り替えることを可能とした画期的な複合式推進工法です。
掘進機の切羽の安定性向上や、推進中の掘削添加材の大幅な減量。掘削残土の分級と循環装置による建設汚泥のリサイクル化を行います。
ハイブリッドモール施工例
掘進機搬入状況
施工状況
カッタービット
泥水式推進工法
泥水式推進工法は、掘進機前面のカッター後方に隔壁を設け、切羽と隔壁の間のチャンバー内に泥水を圧送し、切羽の安定を図りながら、カッターを回転させて掘削、推進を行います。
掘削した土砂は泥水と撹拌し、排泥管をとおして立坑内に設置した排泥ポンプで坑外の泥水処理装置へ流体輸送する。
処理装置では、土砂・再利用泥水及び、排泥水に分離し、再利用泥水は比重調整を行った後、再び送泥水として切羽へ送られる為、送泥水・排泥水の管路系統は循環回路となっている。
泥濃式推進工法
泥濃式推進工法は、掘進機前面のカッター後方に隔壁を設け、切羽と隔壁の間のカッターチャンバー内に高濃度の泥水を圧送充満し、切羽の安定を図りながら、カッターの回転により掘削し、立坑に設置した元押しジャッキ等により推進を行います。
掘削した土砂は高濃度泥水と撹拌混合して流動化させ、掘進機内の排土バルブを開閉することで、切羽を安定させながら間欠的に排土します。大気圧下に排土された堀削土砂は、搬送可能な大きさに選別し、真空吸引により搬出します。
また、真空吸引不可能な大きな礫は坑内からトロバケットで搬出します。坑外に搬出された土砂は、排土貯留槽を経てバキューム車で直接運搬処分、または固化処理後ダンプトラックで運搬処分を行います。